今回は「フローチャート」とは何か、書き方など具体例を踏まえながら解説します。
フローチャートを使うことで、複雑なプログラムの構造をより分かりやすく理解できるようになります。
フローチャートとは
フローチャートは、「流れ図」「フロー図」とも呼ばれます。プログラミングをする時だけではなく、プロジェクトやビジネス、教育など、様々なシーンで活用されています。
ここでは、プログラムの製造時に役立つフローチャートの知識を説明します。
フローチャートの目的
フローチャートを使用する目的は、プロセスの視覚化、改善、効率化のためです。
複雑化したプログラムの場合、途中で実装(書くべきコード)内容が分からなくなったり、プログラミングの知識がない人に説明することが難しかったりします。
その際、フローチャートで処理の内容や手順を図に起こしておくことで、実装内容を見失わず、他者との共有をスムーズに行えるといった利点があります。
また、コードを書き始めてから内容を変更することは時間や手間が掛かりますが、先にフローチャートを作成することでこれを防ぐことができます。
フローチャートの歴史
1921年、アメリカのフランク・ギルブレスによってフローチャートの原型である「フロー・プロセス・チャート」が考案されました。当初は、業務プロセスの流れを表すために使用されていました。
1940年代、コンピュータが登場し、当時のプログラミングは、機械語を直接人間が書くというものであったため、プログラム開発にもフローチャートが用いられるようになりました。
フローチャート記号
ここでは、プログラミングにおけるフローチャートで基本となる記号を5つご紹介します。
フロー矢印
端子
処理
分岐
ループ処理
フローチャートの書き方
フローチャートの書き方は、個人や企業によって異なることがあります。
ここでは、できるだけ分かりやすさを重視したフローチャートを作成する際のルールをご紹介します。
書き方のルール
- 端子を使用して、フローチャートの開始と終了を明確に示します。

- 処理や操作は長方形で表し、処理の順番を上から下へ流れるようにします。

- 分岐を行う際はひし形を使用し、条件によって矢印で分岐先を示します。
ひし形の下に伸びる矢印の先に条件に合う場合の処理を記述し、ひし形の右に伸びた矢印の先に条件に合わない場合の処理を記述します。
フローチャートを書く人によって条件に合う場合の分岐を右に伸ばすこともあるため、矢印の近くに「Yes」「No」を書いて分かりやすくします。

- ループは台形で挟むことで表します。開始時は上辺が短い台形で、終了時は下辺が短い台形で示します。

サンプル
それでは、フローチャートのサンプルと、フローチャートを元にしたコードを書いてみましょう。
今回は、int型の変数iが1から10の間ループし、偶数であった場合に表示するプログラムのフローチャートです。
フローチャート
フローチャートを元に作成したコード
public class Sample {
public static void main(String[] args) {
// 1から10までの数字をループ
for (int i = 1; i <= 10; i++) {
// 偶数である場合
if (i % 2 == 0) {
System.out.print(i + " " );
}
}
}
}
実行結果
2 4 6 8 10
まとめ

今回は、フローチャートについて解説しました。
フローチャートを作成することは、プログラム全体の構造を明らかにするのに有効な手段です。ぜひ活用して、効率的にプログラムを完成させましょう!